ハナソーカ 君のこととか  ハナソーカ これからのこととか | sassan2000 diary

ハナソーカ 君のこととか  ハナソーカ これからのこととか

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昨日のライブペインティングは
予想外に50人くらいのお客さんに来て頂き、
満員の会場の中で行うことができました。
ご来場頂いた皆さん、本当にありがとうございました。


会場がマンションの一室のため、
あまり大きな音は出せませんでした。
g.n.oの音楽はいつもより静かで美しいメロディが主体で、
それがいつもより「思考」の時間を与えてくれました。
彼とは何度もライブを共にしていますが、
回を重ねる毎に音楽と絵というジャンルを超えて共鳴しあって
一つのものを作り上げることができるようになっているような気がします。
ヤスさんは今回の展覧会をテーマにした、
心を打つ深い物語を歌ってくれました。
彼の歌が会場の一人でも多くのお客さんに届いていれば、と思います。



今回はスライド投影や暗転など、
いくつか新しい手法を試しました。
さらに、
いつもはうろうろ歩いて色んな所から引いて画面を見るのですが、
今回はすぐ後ろにお客さんがいたので動き回ることができませんでした。

予想外の状況で前半少しテンパっていたのですが、
途中からだんだん「今何をすべきか」ということが見えてきました。
結果、
g.n.oの音、ヤスさんのメッセージ、お客さんが画面と音に対峙するエネルギーなど、会場に広がる空気を直感的に感じて、
それらを照明の当たった紙の表面に、ストレートに線に変換して描くことができました。


想いの丈を表現できたことはもちろんのこと、
何より多くの人とこの時空間を共有できたこと、
多くの人との素晴らしい出会いがあったこと、
ここで何かが生まれたこと、
このために活動を続けているんだなあ、と強く思います。


最後に
スガナミさん、ヤスさん、片山さん、井上さん、宙さん、アツさん、ハマさん、
その他にも色々お世話になった皆さん、
わざわざ時間を作って見にきて頂いたお客さん、
皆さんのおかげで素晴らしい空間を作ることができました。
本当にありがとうございました。




以下、ha-gakure ヤスさんがライブで歌ってくれた詩です。
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まだ少年と呼ばれた頃の君
美しいということの意味
そういうことの一切疑う余地の無い
許された日々

隣町には行っちゃいけません
そう言われ
いつも川を挟んだ堤防から眺めるだけの隣の街
途方もなく高い鉄塔
要塞のような工場のそびえ立つ煙突
日が落ちれば灯る無数のネオン
太陽はいつも隣町を照らし
月は彼らばかりを照らす

冴え渡る景色
君は隣街ばかり見てた
眠っても君は堤防に立ってた
背中に羽があると思って羽ばたいて何度も転んだ
高く飛べない
どうしても川を超えられない
夢の中でさえ君は隣町ばかり見てた

隣町には行っちゃ行けません
訳を問うこともなく
なんとなく時は過ぎた
瞬間と季節が時だけを刻んだ
時だけを運んだ
成長した君の代わりに生んでくれたお母さんが去り
優しかったお父さんが去り
多くの命が土に還った


ハナソーカ 君のこととか
ハナソーカ これからのこととか


それでも君は日課のように隣町ばかり見てた
いつか風の強い日に特別な風を
それだけを頼りに
もう君を止める声は地上には無い
さあありったけの力で風を掴むだけ
君は風を待った
4月に君はとても奇麗な花を咲かせた
次の日曜日
隣町の人間が君を引きちぎって持ち帰った
君は願いの通りこうして隣町のどっかの家の花瓶の中
汚れた空気と濁った水の中
かろうじて呼吸する君

地球に帰れない君は死んだらどこに行くの
隣町の誰かの花瓶の中 
澱んだ水になるの
美しいものを奪いたくなる
僕らは知らないうちにどんどん地球から遠ざかり
そして多くを忘れ


まだ少年と呼ばれた頃の君
美しいということの意味
そういうことの一切疑う余地の無い
許された日々
隣町で枯れてしまった君
地球に還れないまま
せめて目に残しておこう
色んなことを忘れないように


ハナソーカ 君のこととか
ハナソーカ これからのこととか