去年のクリスマスのこと | sassan2000 diary

去年のクリスマスのこと





薄くて見えないかな?



ある人から絵の依頼があった。
大切な人に絵をプレゼントしたい、とのこと。
難しいモチーフで、かなり苦戦したけどなんとか締め切りのクリスマスに間に合った。
当日、遠方から二人で個展を見に来てくれて、会場で作品を渡した。
サプライズだったのもあって彼女はとても喜んでくれて、
それを見た彼もとても喜んで、その二人を見た僕もとても嬉しかった。
+の連鎖。
とても幸せでドラマチックな一日だった。
自分で創った作品ってのは子供みたいなもので、それが喜ばれてもらわれていくのはとても幸運だと思う。
作品制作は孤独な作業だと思っていたけれど、人と関わって初めて完成するものかもしれない。


友人から聞いた話だが、ある作家が亡くなり、多くの素晴らしい作品が遺品として残された。
すると親族が、その作品をお金のために売ってしまった。
行き過ぎた資本主義社会において、すべて美術館に寄贈するには非常に強い意志が必要で、売るという行為を選択するのは仕方がないことかもしれない。
幸運にも理解あるコレクターがまとめて購入してくれたのなら話は別だが、それは稀なケースで、相当の計画を立てないとそれぞれの作品の行方は不明になってしまうだろう。
そうなれば作家が一生を懸けた仕事が見えなくなってしまったのも同然である。
なんともやりきれない悲しい話だと思った。


岡本太郎のように一切作品を売らず、自ら美術館を建てて後世に残すなんてのは夢のような話で、生活のためにどんどん売っていかないといけないのが事実。
僕の作品に関しては、数は少ないが今のところ顔の見える恵まれたやりとりをしてこれているが、この先どうなるかはわからない。
その他の作品はすべてアトリエに保管しているが、年々増えて行く数に今の場所も限界だ。
しかし現実的には作品数がまだまだ少な過ぎるので、どんどん作ってストックしていかなければならない。
これらすべての矛盾は人と関わって初めて解決する、そこで初めて作品が完成するのだろう。作品達の未来に素晴らしい出会いがあったらいいなー



まあ理想を言い出したらきりがなく、そんなこと言ってる間に猫け、かニャー