星の王子さま | sassan2000 diary

星の王子さま

火星にはロボット文明が栄えていて、植物の種がお金になっていました。
「君たちは機械なのに植物を大事に育てているんだ。」と感心すると、
「他に何を大事にするのです?」とそっけなく答え仕事場へと戻っていきました。

shing02 「星の王子さま」より  



今僕は植物をモチーフに作品を制作しています。植物に限らず、さまざまな有機物に興味があります。
僕は小学生時代を神奈川県にある三浦半島の先端の、海と山に囲まれた自然に恵まれた土地で過ごしました。
今でもその時代の記憶が一番美しく残っていて、自己形成に大きな影響を与えたと思っています。
しかしこれは、自然の厳しい土地で生活する人とは根本的に考えが違うでしょう。
彼らは自然の本質である「美しさ」と「怖さ」の両面を知っています。
僕は今まで自然と闘った経験がないので、ただ「美しい」幻想を抱いているに過ぎません。
メディアが発達し、人が一生の間に到底行く事などできないであろう地球の隅々までバーチャルな体験ができます。しかしこれはあらかじめ制御された中での想像でしかありません。
今、都会で生活する僕らの世代の、肉体感の伴わない自然に対する憧れというのは主にそういうものから来ているのでは、と思います。
「畏敬の念」と「憧れ」の格差が、環境破壊が続く原因のひとつかもしれません。


最近僕は泳ぐことと走ることに精を出しています。
水の中での感覚は特別で、脳と身体をひとつのものに溶け合わせます。
逆に淀川の土手を走っていると、脳は上空に昇って行き、地上にある身体とどんどん離れていきます。
自分の身体を知ることによって、少しずつ外の世界と対峙していこうと思っています。
そして一生をかけて少しでも自然の本質に近づけたら、と思います。











 


http://www.youtube.com/watch?v=B7pDrZAcRxw
http://www.youtube.com/watch?v=FkwJ_ubVhDI&feature=related