sassan2000 diary -21ページ目

つれづれなるままに

昨日は京都にDM配りに行ってきました。

 ここのところ個展準備でこもっていたので久々の京都。


かなりの豪雨の中

射手座で山本さんの個展見て、

すずき

はねうさぎ


 遅い昼食のためうさぎのむかいのお気に入りカフェに入ると

偶然平塚さんが居たので一緒にご飯食べながら個展のことを色々相談。



 地下鉄乗って文化博物館の「日本画ジャック」

http://nihongajack.fc2web.com/


トークイベントはもう始まっていて、皆で作品を見ながら会場を回る。

このイベントはかなり話題になっているらしく、

来場者数も、メディアの取り上げ方もすごい。


それぞれの出品作家も若手の実力派ぞろいで、

その上イベントのテーマもおもしろい。

場所と、時代と、テーマと、作家がうまくリンクした、とても勢いがあるイベントだった。
ムーブメントというのはこうして生まれていくんだろうなあ。
これからさらに広がっていく気配。
同じ時代にこの流れを目の当たりにできて幸せだと思う。

企画者の山本さんってアーティストとしてやっぱすごいんだなー。


 会場内の作品では個人的には三瀬さんが圧倒的にすごかった。

早さと、勢いと、緻密さ凄まじいエネルギーと繊細さ

そして三瀬さんの立ち振る舞いこの人は天性のアーティストだなあと思った。


イベント後、船井さんと線について色々お話。

しかし彼女はおもしろい。

何がおもしろいかは彼女のブログを

http://amatakeart.org/blog/


 


その後道で石橋さんにばったり会ってから

ニュー ニュートロンへ。


さくまちゃんがショップ兼カフェのレジしてて、しばし談笑。


なかなか作りこんだ感じの空間で、

カフェよりギャラリーが一段上がっていて、

お茶している人から見るとステージのよう。


ただギャラリースペースが以前より狭くなっている上に

片面がガラス張りなので展示する側から考えると物足りなくなった感が。

せっかくだからとお茶を飲んでいると

ガラスにシャンデリアが映りこんでいたりといろいろ目に付くところが、、、


今後時間をかけて改善されていくことを願う。




最後は船井さんの個展を見にshin-biへ。

壁二面に渡ってピンクの線で壁画を描いていて、なかなか気持ちいい。


彼女の絵はよく見るとところどころに動物らしきものが見えてきておもしろい。

抽象の中の具象。

雲や森を見ていると何か他のものが見えてくる時と同じ感覚。

この境界線を自由に行き来できるのはおもしろいなあ。



 というわけで、つれづれなるままに京都、、、、

特に何があるわけでもなかったけど、外の空気はいいなー

オフィシャルHPにて、、、

  かのこ

写真は来月の個展のDM用の写真です。

2005.07.04~07.09
個展 「灰景の木」 @ ぎゃらり かのこ(大阪)

2005.07.05-07.23
グループ展 「藝術家の線」@ 石田大成社ホール(京都)



また、
オフィシャルのHPに
今後の予定アップしました。

ちなみにアドレスも下記のものに変更したので
よろしくお願いします。
http://sassan2000.nsf.tc/



久し振りに絵を描いたら
自分の絵の変化に驚いた。
でも良い感じ。
なんだかんだ言って、
やはり描くことが好きなんだなあと実感。



詰めの甘さ

今日は友達の写真展に行ってきた。


写真を見て、
フライヤーを渡して、
次の自分の個展の話になった。


色々つっこまれて、
そーゆう人だとは知っていたけど、
余裕がないのか正直焦って
言葉に詰まってしまった。
頭の中はぐるぐる回り、
熱くなり過ぎてオーバーヒート。


まだまだ詰めが甘いなー
あと一ヶ月ある。
どれだけ手を動かせばいいか、
それにどのくらい時間がかかるかというのは
経験上、
だいたいわかってる。


問題は
コンセプトと全体のビジョン、
それを固めるためには何か足りない。

わかっていながら、
日常の忙しさに追われて
本質を見失っていた。


時間は限られている。
手を動かしつつ、
別の部分で考えを進めようと思う。



最近見に行ってよかった展覧会


塩田千春展@京都精華大学ギャラリーフロール


内海聖史展@アートコート ギャラリー
(こちらは6/4まで かなりお勧めです)

5/5 GW四国ツーリング 三日目 天国と地獄

室戸岬から55号線を海岸沿いに北に上がる。
この辺は右手にずっと太平洋が広がっていて、
高知の中でもハイライトな道。

サーファーが集う宍喰で少し休憩し、
途中海部川河口から北西へそれて
川沿いに193号線で高知の山の中へ。
この辺りから車の数が激減する。
山の間を流れるのどかな川沿いを上がっていく。
道が最近整備されたようで広くてとても走りやすく、
景色も最高なうえに車が全くいないので
最高に気持ち良い。
途中蛇をよけようとしたらこっちに跳ねてきて
こけそうになった。


050505 GWツーリング-2


途中あたりから道幅が急激に狭くなる。
渓谷に沿って車一台分の道幅の林道を走る。
一応舗装はされているが、
去年の台風による崖崩れの後片付けができていないので、
いたるところに大きな石がごろごろ。
オフロード車ではないので、
その石をよけるのに一苦労。
寄り道で目当ての滝に一時間くらいかけて走ったら、
到着直前で通行止め。
しかたなく分岐点へ引き返す。

その後約1000mの山々を登った降りたりの連続。
道はとても険しくなっていって、
ガードレール無しの急カーブの連続で、
一歩間違えば崖下へまっさかさま。
でもその分景色が凄まじい。
ここまで手付かずの自然が日本にはあるのかと
ただただ圧巻。
村上春樹が「海辺のカフカ」の中でここを舞台にしたのがよく分かる。

またこの季節の緑は生命力に満ち溢れていて、
溢れ過ぎていて、
怖い。
完全に飲み込まれてしまう感じ。
去年登った剣山は感動の方が大きかったが、
今回は恐怖の方が上だった。


050505 GWツーリング-1


午前中に山に入って、
行くとこ行くとこ崖崩れによる通行止めで、
その都度村の人に安全な道を教えてもらう。
最初に予定していた193号線で剣山を越えるという
ルートから大幅に変更して、
途中長安口ダムから西へそれて195号線で徳島市街にむけて
山を下る。

結局迷いに迷って抜け出した時はもう夕方。
途中ごはんを食べるようなところもなく、
心身共にかなり追い詰められた。



その後徳島市街に入り、
帰宅のため大鳴門橋へ。
その前から徐々に風が強くなり、
嫌な予感がした。

いざ橋の上へ。
予感的中。
突風の連続。
3秒おきに吹く突風をまともに受けて
バイクはぐらんぐらん、
その度に首はアッパーでもくらったかのように
後ろに持っていかれる。
2斜線の高速を時速50キロかろうじて体勢を立て直して走っている状態で、
少しでも気を抜けばこけてしまう。
それでも車は普通に走れるようで、
右側の追い越し斜線では車が普通に100キロくらいで
ビュンビュン走っていき、
困ったことに自分の後ろは完全に詰まっている。
左側にある路肩の幅は約2m、
その端には腰の高さくらいの手すりがあって、その先は荒れ狂った海。
車から渦潮がよく見えるためのサービスだろうけど、
ほんといい迷惑。
右にこければ追い越しの車にはねられ即死。
その場でこければ後ろにぴったりのイラツキドライバーにはねられて即死。
左にこければ橋から飛び出して約200m下の渦潮に飲み込まれて即死。


ここでこけたら最後、確実に命を落とすだろうと覚悟を決めて、
パニックにならないよう
後ろを気にせずさらに速度を下げる。
バイクに乗っていると
こういうふうに突然死の恐怖に直面することがある。
それは非日常の特別な感覚で、
ただただ恐怖と興奮でいっぱいになる。

さらにこの辺りはいくつか小さな島が集まっているため、
橋がいくつもにわかれている。
やっと渡りきって風のないトンネルの中に入って安心したのも束の間、
そこを出た瞬間にまた橋で突風にやられる。
途中から、トンネル出口付近では
左右の木の揺れ具合をみて風の強さを推測するという術を習得したけど、
結局避けることはできない。
ほんと命からがらだった。


毎回もう二度と渡るかと思うけど、
その恐怖はすぐ忘れてしまう。
というか
記憶は美化されいつしか「楽しかった」に変わってしまう。
あーまた渡るんだろうなー

その後突風は淡路島縦断中も続き、
途中明石海峡大橋のパーキングで休憩したときに、
普通に立っていても台風みたいな風の強さに驚いた。
バイクの人たちは皆ぐったりしていたが、
戦場からの帰還兵のごとく
お互い無事生還できたことを喜びあっていた。


そんなこんなで
無事帰宅しました。
ハードな旅行だった。

5/4 GW四国ツーリング 二日目

050504 GWツーリング-1

四万十川を河口から上流へ上がっていく。
河口付近はとても穏やかで、
中国の山水画みたい。
川沿いに細い道が続いたけれど、
連休のためか車が多いく、
景色と空気が台無しで残念。

四万十川の上流まで行って、
そこから東へ支流に沿って
午後また高知の海に出る。

そこか海岸沿いを一路
その日の目的地である室戸岬へ。
右手にはずっと太平洋が広がっていて、最高に気持ち良い。
山もいいけど、やっぱり自分のオリジナルは海だなー。
室戸岬についたのは19時頃。
丁度日が落ちる時に、
岬の灯台に登る。
この灯台にのぼる途中の急カーブで
目の前に突然開ける室戸の町と海の景色は最高。
毎年見ているけど、いつも感動する。
室戸の半島が一望できる高台、
どこまでも続く海とそこに落ちていく夕日。
薄暗くなってきて、
すべてが幻想的でもうよくわからない。

050504 GWツーリング-2


その日の民宿「福洋丸」は室戸岬の先端にあり、
目の前に180度海が広がり、
絶えず波の音が聞こえる最高のロケーション

この民宿はここ三年、
毎年この時期にツーリングで泊まっている。
ここの親父さんは元漁師で、
いつもその日に室戸岬の先から荒波に船を出して魚を釣ってきてくれる。
魚とか海のことを知り尽くしていて、ほんとかっこいい。
 小さい船で3m以上の荒波に平気でくりだす。
いつも誘ってくれるけど、船酔いの自分には地獄が見えてなかなか勇気が出ない。

ヒメダイ、タカサゴ、サバの刺身と、マグロのタマゴを湯通ししたものを食べた。
どれも今日釣れためったに食べれないものばかりで味は絶品。
鯖は痛みがとても早いので釣れてから6時間以内でないと刺身では食べられない。
ヒメダイもたまたま釣れた高級魚。
親父さんが作る魚料理は、
刺し身でも天ぷらでも天才的にうまい。

ビールをいっぱい飲んで、
酔っぱらって寝室へ。
襖一枚はさんで横の6畳間には
写真の子弟関係らしい5人のおっさん&じいさんが
所狭しと泊まっている。
台所に行っておばちゃんに晩酌のビール一本もらって、
飲んでいたらすぐ寝てしまった。

親父さんは来年こそは釣りに行こうといつも誘ってくれる。
これからも毎年来たいなー

5/3 GW四国ツーリング 一日目

050503 GWツーリング


ただただ高速移動な一日。

朝7時頃実家(明石海峡大橋の垂水JCTすぐ近く)を出発。
高速を使って
明石海峡大橋を渡り、
大鳴門橋を渡り、
鳴門IC で一旦降りて徳島市街へ。
徳島JCTから徳島自動車道で川之江東JCT、
そこから高知自動車道にそれて終点の須崎東ICで降りる。

高速道路をバイクで走るのは、
車と全然違ってめちゃくちゃ体力を消耗する。
風を体で切ることによって、
寒くなくても知らないうちに体温が奪われているらしく、
ぐったりしてしまう。
パーキングごとに休憩したいくらい。

そこから下道で目的地の高知の四万十川河口付近へ。

この日は四万十川河口付近の
民宿に泊まった。

目の前に海が広がるいいロケーションだったけど、
すぐ近くにサーフィンで有名な海岸があったため、
GWも重なり
うるさい団体客が多くてちょっと居心地悪かった。
かつおのたたきをたらふく食べて、
ビール飲んで、
就寝。
普通あれだけ走ったら、
体温を奪われたことが原因でなかなか寝付けないけど、
晩酌したらすぐ寝てしまった。

4/30 ha-gakure ライブ (uramado #8)@ 福島2nd line

ha-gakure


この日は2回目のha-gakure
2月に夢中夢のイベントで見た時は人ごみの中、
ヤスさんの頭しか見えなかったけど、
今回はど真ん中目の前で見ることができた。



感想は、、、
久々に本当にいいものを見た
ここのところ作品制作について色々悩んでいたのだが、
ひとつ光を見せてくれたような気がする。
やっぱり"ホンモノ"は心に直接訴えかけてくる。

一番大切なことなのに、
日常が忙しいとついつい忘れがちなこと。
これを実現するために、
表現活動してるんだもんなー



初めて聞く曲が多かったのだが、
どの曲も盛り上がりの部分にかけての
それぞれのパートの絡み方がとても気持ちいい。
ヤスさんのラップも何を話しているのか聞き取れないのに、
何を歌っているのかはわかるような、、、


言葉の力って不思議だなー
言葉自体は聞き取れないのに
音として、「思い」は伝わる。



あとはやっぱり菅波さん、
彼はやばい
ギター弾いてないときでさえ絵になっている。
あんなかっこいいギタリストに出会ったのは初めてかも
guitar noiz orchestra 見てみたいな



遠距離バンドになって初のライブとのことで、
新たにキーボードも加わったメンバー5人、
バンド内では色々大変なこともいろいろあると思うが、
個人的にはとてもいいライブだった。



彼らのライブが終わった後、
しばらくしゃがみこんで頭と心を整理していると、
新たな絵のイメージが浮かんできた。
まだ固まっていないけど、
なんとか実現させたい


ヤスさんとちょっとお話した後、
帰り際通路でmikiさんという人が
ペンで絵を描いていた。
テンプレートなどによる曲線を使って描いているのだが、
とても好きな感じ。
僕がもっている大好きなある画集のイメージに似ていた。



というわけで、
頭の中が久しぶりにぐるぐる回りだしたので、
忘れないようにと
この日はそそくさと帰りました。


帰りにお気に入りの洋食屋さんで
いつものハンバーグ定食♪
バイクの風が気持ちいい季節になったなー
 

4/29 大船真言 " AIR ART " @ 岸和田市立自泉会

air art 大船さん


初めて南海電車に乗り、
初めて岸和田駅で下車。

大阪の南の方に来ることはほぼないので、
かなり荒れた町並みを期待していたのだが、
見事に裏切られた。

自泉会館は市の文化財になる程歴史ある建物で、
昭和レトロないい感じ。
周辺の町並みも、
岸和田城がすぐ近くにある城下町ということで、
かなりきれいに整備されていて、
辺りには由緒ある名家のお屋敷のような
日本家屋が多くあった。

これまでの人生で姫路城、大坂城と、
何かとお城に縁があったのだが、
こんなにきれいに整備された、
いわゆる「現代風城下町」は初めて見た。
ここちいい空気と風と静かな町と、
歩いているだけでとても幸せな気持ちになった。


大船さんの作品は2年前にneutronで初めて見た。
そのときはメインの横10mくらいの壁一面に
天井高(3m弱かな)の作品がどーんとあった。
作品との距離がとても近かった(離れても3mくらいかな?)。
空間全体を作品で包み込み、
そのためそこに居る人も必然的に作品に飲み込まれる、
そんな空間構成で、
彼の人柄も含めて見事にやられた。
同い年とは思えない程の実力と行動力。
それからずっと彼の展示にはできる限り足を運んでいる。


今回会場内には
その2年前にneutronでの個展の際に展示していた作品
(確か6枚組だったかな)が
観客に向かって円弧を描くように設置されていた。
天井がとても高いホールで、
古い建物の壁、カーテン、ライト、
すべてが雰囲気のある素晴らしい空間を作っている。
巨大な彼の作品が、
今回はそんな空間の中の一要素になっていた。


会場で、かのこの中島さんと、
neutronの石橋さんと奥さん(初対面♪)
と出会った。


作品の中央に横長の
淡い黄色の何とも言えない幸せな空間が広がっている。
丁度その上部に沿うように広がる、
貝殻のようなものや砂や石などが貼り付けられた
紫色の強い空間がコントラストとなって
より黄色の淡さを際立たせている。
手前にぼやーっとした霧がかかったような、
どこまでも奥に広がっているような、
この世のものとは思えないような空間。

ライトが黄色なので気づかなかったのだが、
近くで見ると金色だった。
その下にさまざまな色が淡く塗り重ねられている。

日本画の岩絵の具をメインで使っているので、
このサイズだとどれだけ時間がかかるのか途方に暮れてしまう。
彼はこの作品を
約4ヶ月こもって制作したという。
その間四六時中作品と向かい合って、、、
4ヶ月もひとつの作品と向かい合う事も凄いし、
これをたった4ヶ月で描き終えてしまうことも凄い。


2年前に制作した作品なのに、
これまでの作品と全く劣る事なく、
むしろ2年前に見た時とは全く別物の新作のように
見る事ができた。
完成度が非常に高い作品は、
保存状態さえよければ、
時間を越える事ができる。
歴史上の有名な作品と比べればその時間は大した事はないかもしれないが、
自分と同世代の身近な作家が
こういう形で作品を見せてくれたことは
とてもいい刺激になった。


また彼は今回の
たった一時間ちょっとのイベントのために
(作品を前にしたダンスパフォーマンスと有木さん作曲の現代音楽のライブ)
トラックを手配し、
赤字でこのイベントを決行した。
しかもこんなにアクセスの悪い場所で、、、
この行動力はなんなんだろう


彼は来月から個展のため
パリに飛ぶ。
自分もがんばらねば♪

4/22 大西康明展 @under public

大西康明

南船場にあるunder public に
大西康明さんの個展を見に行ってきた。
大西さんは以前neutronで個展をされていたのだが
その時は見られなかった。
しかし今回のフライヤーをたまたま見つけて、
その写真にとても興味があったので見に行った。

under public に行くのは初めてで、
カフェとart bookが充実しているというので
楽しみだったのだが、
店内はあまり広くなく、
大西さんの作品のために真っ暗+ブラックライトにして、
カフェも本も全部しまっていた。

初めて見た彼の作品はとてもインパクトがあった。
直径3mくらいの透明ビニール袋の外と内の両側いっぱいに
直径1cmほどの丸い蛍光テープが格子状に並べて貼られている。
その下の台の中に二つの扇風機が隠されてあり、
タイマーを使って袋の中の空気量を調整する。

はじめぺちゃんこだった袋は
ゆっくりと膨らみ、
まるで生命体のように横に揺れながら立ち上がる。
中の空気が満杯になると丸みを帯びた立方体のようになり、
格子状の蛍光テープが整然と並び、
向こう側のそれを見ていると
中に吸い込まれそうになった。

それからしばらくすると
こんどは中の空気が追い出され、
また不安定に揺れながら
元のぺちゃんこの状態になる。

作品の「動き」がとてもおもしろかった。
特に途中の「変化」の段階のものが。
何か巨大な生命体が
首をもたげながらゆっくりと立ち上がる様。

子供の頃遊園地で遊んだ、
でっかい気球みたいな
常に大量の空気が送り込まれる空間の中で
ぴょんぴょん跳ねて遊んでいた時のことを思い出した。

去年のneutronB1でやったときは
あの空間いっぱいを同じような巨大作品で
埋め尽くしたらしい。


その場にいた本人に過去の作品についても
色々教えてもらった。

真っ暗の空間で
キューブ形の鉄枠をグラインダーで削って火花を散らし、
さらにキューブを移動させて同じ行為をする。
それを長時間開きっぱなしのカメラで撮影すると、、、

同じようなシリーズで、
真っ暗の中レーザー光線で立体をなぞり、
それを写真にすると、、


どれもこれもアイディアに富んだ
興味深い作品ばかり。
共通しているテーマとして感じたのは
立体の「輪郭」を意識しているということ。


輪郭
アウトライン


興味深いなー


ある人が、
「若いうちは色々なことを試した方がいい。
そうした方が年をとったときにおもしろい作家になる可能性が高い」
と言っていたことを思い出した。
大西さんはまさにそのタイプだろう。

常日頃から様々な見方で物事を捉える。
「見て」「考える」ということ。
アーティストに限らず、それが創造者の本質だろう。
アイディアが湧かなくなることに対する不安、
そんなものだれもが抱いていることで、
いちいちそんなことに怯えていても仕方がない。
そんな暇あったら「次」を考えるべき。



今年の秋、
移転先のneutronでの彼の個展も楽しみ♪



大西康明個展「restriction sight」 @ under public
05.4.17(Sun)~5.1(Sun)
http://www.underpublic.com/


neutron 04.11「大西康明展」
http://www.neutron-kyoto.com/gallery/0411.html

4/12 「海の仲間達」結果報告 & 吉田憲司展  @ neutron

この日は吉田君の個展と、「海の仲間達」の搬出に
neutronに行ってきた。


まず喜ばしい報告が。
自分の作品が2つ、売れていた。
その他にも、
諸事情によりかなり高額になってしまったポストカードも
いっぱい売れていた。

とても嬉しかった。
作家活動を続けていく中で、
こういう喜びは他に変えがたい勇気をくれる。
皆さんほんとうにありがとうございます。
これからもがんばります!

引き続きこのシリーズの3作品を
neutronのアートショップに
常設販売することになったので、
皆さん近くにお立ちよりの際は是非♪


さて吉田君の個展。
彼とは去年の8月、
neutronの"draw the line"というグループ展で一緒に展示した。
同い年ということと、
毎日顔を合わせていたということもあり、
メンバーの中で一番親近感が沸いてたかな。

http://www.neutron-kyoto.com/gallery/0408.html

あの時は線描の作家を集めた企画で、
みんな線で作品を構成していた。
しかし彼だけは点を描いていて、
正直やられたと思っていた。


あの時の点というのは
彼が線を描き続けた結果、
それらが点に収束したもの。

そして今回の個展では
その点が再び線に戻っていた。
このあたりはneutron HP の彼のコメントによく書いてある。

http://www.neutron-kyoto.com/gallery/0504.html


 水性なのにアクリル板やガラスに描ける紺色の特殊なペンで、
真っ白なアクリル板に線で描いている。

自分もちょうど今同じペンを使って試行錯誤していたため、
彼の話は大変参考になった。

画面には
有機的な物体が融合しているかのように
同じパターンが繰り返され
ひとつの大きな流れ、塊ができている。
以前見たときより
開放されているような感じがした。
完成度は相変わらず非常に高く、
制作過程を想像させる作品は、
見ていてとても楽しい。

彼は昔でいう
いわゆる芸術家タイプの人間?だと思う。
ひとつのことをとことんつきつめていく。
自分の中から出てくるものを
手が動くまま描き続ける。
同じ作風のものが永遠繰り返されるかのよう。
そうしていくうちに少しずつ変化が生まれ、
次の作品へ繋がっていく。

彼と自分とはプロセスが全然違う。
昔から自分には、
こういう天才肌の人間にとても憧れる傾向がある。
心底惚れ込む作家は大抵このタイプだ。
それは自分の才能の無さを知っているからでもあるのだろう。
彼は自分の中から生まれてくるものを即興で描き出す。
音楽でいうとジャズに近い。

しかし
自分は今の自分にできる方法で
アートという世界に関わって生きていこうと思う。
今はとりあえず手を動かすより、
無い頭を使ってみたい。
色々考えて、
ひとつの作品を作り出す。
そこでは理性というものが大半を占めている。

monoのgotoさんは
一つの曲を作るのに何千回も聞き直すと言っていた。
しかもどれだけ曲が長くても、
一度止まれば必ず曲の頭から。
自分の頭がおかしくなる、極限の状態まで。
そうしてできた曲を
バンドのメンバー全員で、
何ヶ月にも及ぶツアーの間、
毎日繰り返し演奏する。


そこに本物があるのかもしれない。
いや、ないのかも。
よくわからないけど、
今の自分はその方向に向いている。



neutron HP
http://www.neutron-kyoto.com/index.html