sassan2000 diary -3ページ目

搬入 アーツチャレンジ2008



写真は自作の前で怒りの狂う様


一昨日から名古屋へアーツチャレンジの搬入に行って、昨晩吹雪の中名神とばして帰ってきました。
会場となる箱がめちゃ汚い上に、横に常駐している警備員の、完全に想像力が欠如した(ほとんど嫌がらせの様な)対応がほんとにひどく、最後にはぶちキレてしまいました。(ここには詳しく書きませんが)

そんな環境の中なんとかやれるだけのことはやりました。
といっても色々制限された中での空間コントロールには限界がありますが、、、
最善策は内装全部作り直すことかな

とまあいきなり愚痴ってしまいましたがそんな空間は別にして、
作品は自分でも納得のいく良いものを展示しているつもりです。
今回は1.37m X 8.5mの新作「つたふ」を展示します。
これは昨年6月にアートコートフロンティアで展示した同名の作品の次のステップとなるものです。
名古屋は遠いですが、もしお近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

よろしくお願い致します。


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「アーツチャレンジ2008」
2/13~2/24 愛知芸術文化センター
キュレーション:加藤義夫
1.37m X 8.5mの新作「つたふ」を展示しています。
展覧会の詳細に関しましては、下記のリンク先HP内にあるPDFファイルをご参照下さい。
http://arts-challenge.com/
2/23の14時から、選考委員の方々によるシンポジウムもあります。
(五十嵐太郎さん、市川政憲さん、加藤義夫さん、西村智弘さん、宮村周子さん)

ツリーとリゾーム

作品制作も最終段階に入った(あくまで時間という拘束において)。
ここでいつも現れる「終わりが見えない」状態。
終わりを強く意識すると、「詰める」という作業になる。
完成度を意識して、通り過ぎないようゴールを見極める。
しかし「詰める」ことを意識しすぎると、作品は一気に「収束」する。
これは作品制作にとって一番危険な罠。
作品は「発散」して解放に向かわないと意味が無い。

これまでの過程を意識して慎重に、
これまでの過程を忘れて大胆に、
進めないといけない。








↓以下の広告が勝手につくみたいです。あめぶろきもちわるい
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京都遺失物拾得日記

先日久し振りに京都に行った。
neutronで個展開催中の鈴木君とご飯食べながら色々話をした。
彼はおもしろい。
僕の方が6つ上なのに、気付いたら色々相談にのってもらってた。

あと、気になっていたギャラリー16の石田さんの個展を見に行った。
こちらはおもしろかったけど、ちょっと期待しすぎたかな。
それよりも移転後の新しい箱と、おばさま方の相変わらずの激烈トークの方が印象的だった。

その後平日の人気の無い京都をフラフラ歩いた。
時間に満ちたしっとりと妖しい空気がとても心地よかった。
大好きなリンチのアイズワイドシャットの一場面、雨上がりの夜、人気の無い街角でトムが謎の黒服の男につけられている、妖しくて美しくて不穏でユーモラスなシーンとリンクした。

帰って制作中の作品を見ると、もんもんとして見えなかった部分がバッと見えた。
気付けば周りで色々なことが動き出している。
ラスト10日、この空気が流れるように描きあげようと思う。

星の王子さま

火星にはロボット文明が栄えていて、植物の種がお金になっていました。
「君たちは機械なのに植物を大事に育てているんだ。」と感心すると、
「他に何を大事にするのです?」とそっけなく答え仕事場へと戻っていきました。

shing02 「星の王子さま」より  



今僕は植物をモチーフに作品を制作しています。植物に限らず、さまざまな有機物に興味があります。
僕は小学生時代を神奈川県にある三浦半島の先端の、海と山に囲まれた自然に恵まれた土地で過ごしました。
今でもその時代の記憶が一番美しく残っていて、自己形成に大きな影響を与えたと思っています。
しかしこれは、自然の厳しい土地で生活する人とは根本的に考えが違うでしょう。
彼らは自然の本質である「美しさ」と「怖さ」の両面を知っています。
僕は今まで自然と闘った経験がないので、ただ「美しい」幻想を抱いているに過ぎません。
メディアが発達し、人が一生の間に到底行く事などできないであろう地球の隅々までバーチャルな体験ができます。しかしこれはあらかじめ制御された中での想像でしかありません。
今、都会で生活する僕らの世代の、肉体感の伴わない自然に対する憧れというのは主にそういうものから来ているのでは、と思います。
「畏敬の念」と「憧れ」の格差が、環境破壊が続く原因のひとつかもしれません。


最近僕は泳ぐことと走ることに精を出しています。
水の中での感覚は特別で、脳と身体をひとつのものに溶け合わせます。
逆に淀川の土手を走っていると、脳は上空に昇って行き、地上にある身体とどんどん離れていきます。
自分の身体を知ることによって、少しずつ外の世界と対峙していこうと思っています。
そして一生をかけて少しでも自然の本質に近づけたら、と思います。











 


http://www.youtube.com/watch?v=B7pDrZAcRxw
http://www.youtube.com/watch?v=FkwJ_ubVhDI&feature=related

芸術とマルチチュード

それを超越したところにありたいし、その根底に漂うものでもありたい。
気がつけばそこにあったり、なかったり。
それはとても大切なものでもあるし、どうでもいいものでもある。
直接的ではないにしても、それが意識下にあるのと無いのでは作品の意味が、アーティストの存在それ自体が変わってくるだろう。

僕の作品は抽象的で解釈に幅のあるものだと思う。
その幅がとても大切で、そこから「祭り」が生まれる可能性もあるだろう。
なんでもない日常ほど怖いものはない。

そんなことを考えさせられたアクティビスト達の展覧会でした。



1/20まで
「ビデオ・ランデブー : 映像の現在」展
@大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
詳細→イルコモンズのふた

去年のクリスマスのこと





薄くて見えないかな?



ある人から絵の依頼があった。
大切な人に絵をプレゼントしたい、とのこと。
難しいモチーフで、かなり苦戦したけどなんとか締め切りのクリスマスに間に合った。
当日、遠方から二人で個展を見に来てくれて、会場で作品を渡した。
サプライズだったのもあって彼女はとても喜んでくれて、
それを見た彼もとても喜んで、その二人を見た僕もとても嬉しかった。
+の連鎖。
とても幸せでドラマチックな一日だった。
自分で創った作品ってのは子供みたいなもので、それが喜ばれてもらわれていくのはとても幸運だと思う。
作品制作は孤独な作業だと思っていたけれど、人と関わって初めて完成するものかもしれない。


友人から聞いた話だが、ある作家が亡くなり、多くの素晴らしい作品が遺品として残された。
すると親族が、その作品をお金のために売ってしまった。
行き過ぎた資本主義社会において、すべて美術館に寄贈するには非常に強い意志が必要で、売るという行為を選択するのは仕方がないことかもしれない。
幸運にも理解あるコレクターがまとめて購入してくれたのなら話は別だが、それは稀なケースで、相当の計画を立てないとそれぞれの作品の行方は不明になってしまうだろう。
そうなれば作家が一生を懸けた仕事が見えなくなってしまったのも同然である。
なんともやりきれない悲しい話だと思った。


岡本太郎のように一切作品を売らず、自ら美術館を建てて後世に残すなんてのは夢のような話で、生活のためにどんどん売っていかないといけないのが事実。
僕の作品に関しては、数は少ないが今のところ顔の見える恵まれたやりとりをしてこれているが、この先どうなるかはわからない。
その他の作品はすべてアトリエに保管しているが、年々増えて行く数に今の場所も限界だ。
しかし現実的には作品数がまだまだ少な過ぎるので、どんどん作ってストックしていかなければならない。
これらすべての矛盾は人と関わって初めて解決する、そこで初めて作品が完成するのだろう。作品達の未来に素晴らしい出会いがあったらいいなー



まあ理想を言い出したらきりがなく、そんなこと言ってる間に猫け、かニャー

展覧会終了しました 2007年について

撮影:表恒匡


入り口





「つたひ、たゆたふ」/樹脂、塩化ビニール/190X370cm



ガラスより

ディテール



風景




ベルタ

Beltaの壁画
「つたふ」/壁面に顔料インクペン/200X420cm

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強風の二輪搬出、絶好の北摂ナイトクルージング日和。
昨日個展「つたひ、たゆたふ」が終了しました。
遠いところお越し戴いた皆さん、ご協力戴いた皆さん、本当にありがとうございました。
今回も様々な出会いがありました。

このギャラリーは空間性がとても強く、
体感してもらって初めて伝わる作品なので、実際に来て戴いてとても嬉しいです。
色々な人と話をし、自分の作品において、今まで見て見ぬ振りをしてきた重大な課題にも向き合う覚悟ができました。
作品制作において、内向的な面も外向的な面も、どちらも大事だと実感しました。
幸い僕の周りには向き合ってくれる人達や、協力してくれる人達がいて、いくら感謝してもしきれません。
作家には世間のバランスを少しだけ崩す役割があり、逆にそれを続けていくためには、想像していなかった程多くのことの中でバランスを取り続けないといけないのだと思います。


さて今年一年を振り返ると、
ちょうど去年の同じ頃にwks.で個展をして
3月にneutronで個展、
6月にアートコートフロンティア、
7月にストリートギャラリー、
11月に今回の個展、
あっと言う間でした。


こう文字にしてみると我ながら結構数を打っていると思うのですが、
実際は以前と比べて特に大変という感じはしませんでした。
どちらかというと余裕があったというか。
初めて個展をしてから3年弱、決して良い事ではないのですが慣れて来た感があるのかもしれません。
来年はもう少し落ち着いてじっくりやろうと思っています。
この一年で得た何より大きな事は、新たなモチーフへのアプローチができたことです。まだ始まったばかりのこの展開を、今年はより深めつつ広げていきたいと考えています。


差し当たっては来年2月に愛知芸術文化センターで開催される「アーツチャレンジ2008」  という展覧会です。 
1.37mX8.5mの作品を展示予定で、ちょうど一昨日から描き始めました。
毎度のことですが、これはヤバな作品になると、ものすごくテンションがめちゃくちゃあがっています。どうせすぐ落ち込むと思いますが


ではでは、長くなりましたが皆さんよいお年を!
来年もよろしくお願いします!  

関西/アート/ビート

おかげさまで悲願のトップページを飾る事が出来ました泣き顔
クリックして頂いた皆さんありがとうございました!
すぐに下ろされると思いますがw
http://www.kansaiartbeat.com/

さっきギャラリーに行ってきましたが、
雨の日の方がきれいです。
会期あと二日、 皆さんお待ちしています!

展覧会12/30まで 忘年会で自らの作品を喰らう レビュー

展覧会と忘年会シーズンが重なり、いつになく飲み続けの日々で楽しくて仕方ないのですが、胃腸も財布も弱っています。

昨晩、壁画を描いているイタリアンバールBeltaにて「パルマサンプロシュートとモッツアレラチーズのピッツア」と「下関産ウニのクリームパスタ」を食べました。
同い年のシェフは顔は怖いのですが、ほっぺが落ちる程おいしかったです。
特にピッツアは絶品で、たっぷりのったチーズが伸びて線となり、僕の壁画の蔦と絡み合い、まるで自分の作品を食べているかのような感覚に襲われました。一流の料理人が決まってまかないに力を注ぐ理由が少しだけわかった気がします。
料理を作ってお客さんに食べてもらう。
料理を作ってまかないとして自分で食べる。
キーワードは「ハングリー」かな


あまりギャラリーに居ないため、芳名帳を見ては喜んでいます。
遠いところ来て頂いた方、本当にありがとうございます!
そんな来訪者の一人、アーティストの森川穣君がレビューを書いてくれました。
http://blog.zaq.ne.jp/artholicdays/daily/200712/20
彼はついこの前までロンドン留学中に、ヨーロッパ中の現代アート、建築を脅威のフットワークで見て廻っていて、そのブログを僕はそれをこっそり読ませてもらっていたので光栄です。
まさにタイトル通りの彼のブログ、おすすめです!
"artholic days"  http://blog.zaq.ne.jp/artholicdays/


展覧会は30日までです。
チーズと蔦のハーモニーをお楽しみください。
ギャラリーは水曜休み。
壁画のBeltaは通常月曜休みだけど今週は祝日だしオープンしてるかな?代わりに火曜休みかな?分からないのでお店に直接お問い合わせください。

詳しくはこちらを http://sassan2000.ameblo.jp/sassan2000/day-20071108.html

ライブペインティング終了しました

先日のライブペインティングは無事終了しました。
(カメラを忘れたため写真がありません)

アクセスを考慮すると集客が心配でしたが、
狭い会場がいっぱいになるくらいお客さんに来て頂きました。

遠いところお超し戴いた方々にはほんと感謝です。
ありがとうございました!
年に数回しかせず、場所もバラバラなのに、
リピーターの方々もおられて、嬉しい限りです。


今回は「雲」をテーマにg.n.oの音楽と共に絵を描きました。
限られた時間の中で作品を制作→完成させるだけでなく、
会場に見に来てくれた方々にshowとして提示する、
皆で時間と空間を共有するとてもスリリングな体験でした。
途中で悩み、模索し、でも時間がないので素早い決断で手を動かしてみたり、
狭い会場の中歩いて色んなところから見てみたり、
ビールを飲んでみたり、
g.n.oの音の作り方を見て次の出方を探ってみたり、
時間を確認して焦ってみたり、
照明や投影画像をいじってみたり、
お客さんを見て近づいてみたり、
パッと見えたイメージが消えないうちに高速で描きなぐってみたり、、、

とまあ短時間に色んな要素が絡み合うわけで、
終わった後はからっぽでした。

その後色んな方々とお話しし、
ライブで描いた絵を撤去して、絵と照明を設置し直して通常の個展会場に戻し、
皆で打ち上げに行って、
フラフラになって家路に着いた頃には心がいっぱいでした。


ライブ、これからもずっと続けていきます。




追記
展覧会は12/30まで開催されていますが、
12/16(日)は会場でライブイベントが開催されるらしくゆっくりご鑑賞戴けません。
また、壁画があるイタリアンカフェBeltaですが、毎週月曜日は定休日の様ですので、ご注意下さい。